+Sariel+
「・・・タバコ、吸うんだ」
「んー??・・・まぁね」
男の手が、ふっとあたしの太ももに触れる。
自分がどうなろうが、もう、どうでも良かった。
・・・どうせ、処女じゃない。
それに、あたしはあんなにギンに憧れてたんだ。
ギンとなら、寝てもいい。
男が何度も、キスをした。
違う角度から、何回も。
あたしはそっと目を閉じる。
「・・・初めてって、誰とヤった??」
男があたしに耳元でそう呟いて。
はっと、あたしは目を開いた。
頭の中が、ガンガンする。
男が少し、驚いた顔をして。
そっと、右手をあたしの目尻に当てた。
そこでようやく気がつく。
・・・あたし、泣いてたんだ・・・。