+Sariel+
「・・・義父」
男がさらに驚いた顔をして。
その瞬間、あたしは自ら男の顔を引き寄せた。
・・・ピンポーン。
「すみませーん??ご在宅ですかー??」
玄関から、声がして。
男がすばやく、あたしから退いた。
そして、何事もなかったかのように笑う。
「おーっ、来たねぇ!!ピザ!!」
どたどたと、男が玄関に向かって走る音がする。
あたしはソファの上に寝転がったまま、そっとため息をつく。
天井があたしを静かに、ジッと見下ろしていた。