+Sariel+
居間に入ると、そこには当たり前のように、制服が置かれてあった。
早く、この家から出たくて。
あたしはその場で、上の服を脱いだ。
「うわーぉ!!アズサちゃん、セクスィー!!」
後ろから聞こえてくる、男の声に、あたしは聞こえてないフリをする。
・・・この男が本当に、あのギンだなんて。
信じられない。
デリカシーの欠片もない、この男が。
あたしが憧れていあた、あの、ギンなんて。
着替え終わると、部屋の隅においてあった学校かばんを、手に取る。
そしてそのままズカズカと、あたしは玄関に向かった。
玄関に座り込んで、靴を履こうとして。
スニーカーの紐が、ほどけている事に気がつく。
「あーっ、もう!!!」
あたしは乱暴に靴紐を結んだ。
「・・・アズサちゃん、行ってらっしゃい!!
帰りは迎え行くから!!!」