+Sariel+
後ろから声がして。
靴紐を結び終わったあたしは、立ち上がって後ろを振り返った。
そこに居たのは、にこやかな笑顔をした男。
あたしは男をキッと睨みつける。
「あたしの学校、知らないでしょ」
「んー??
・・・俺に、アズサちゃんのことで分からないことなんて、ないから♪」
そう言って、あたしの頬にキスをする。
顔を離すと、また、楽しそうな笑顔で。
手を振りながらギンは言った。
「なんか、新婚さんみたいだよね♪」
あたしはその言葉になんの返事もせず、家を出た。