+Sariel+
教室から出る瞬間、聞こえてきたのは、女子達のひそひそ声。
・・・耳が良すぎるのって、本当に困りものだな。
あたしはその声に反応することもなく、廊下に出る。
・・・彼女達の言ってることは、別段、間違いじゃない。
あたしは人と関わるのが嫌いで。
金持ちだって言うことも本当だし。
美人なのかは分からないけれど、男受けがいいのも本当。
・・・存在自体がうざいことも。
偏頭痛がした。
小さい頃からいつもそうだ。
少し調子が悪いと、直ぐに偏頭痛が起きる。
・・・最悪。
呟いてあたしは、フラフラとトイレへ向かう。
「・・・加東さん!!」
誰かに声をかけられて。
あたしは振り返る。
そこにいたのは、上級生の男子。