+Sariel+





「おーっ!!久々じゃん、キンパ!!
・・・何さ、彼女か??」

「な・・・」



あたしは顔を真っ赤にさせる。
そんなあたしにお構いなしで、ギンは嬉しそうに頷いた。


「そーそー!!可愛いだろ?!ナンパしちゃった♪」

「ちょっと・・・!!」


反論しようとして。

ギンがあたしを見た。
そして、また、にっと笑ってみせる。



・・・何なのよ・・・何も言えなくなっちゃうじゃん・・・。




あたしは下を向いて、黙りこくった。




ギンが、そんなあたしを席まで、誘導する。
店の中にはあたし達と、ほかに、もう2組のカップルが来ていた。



「んで、ご注文は??」



カウンターから出てきたマスターが、やって来て言う。
あたし達の目の前に、水と氷の入ったグラスを置く。



席に着くと、男は笑ったまま言った。



「オムライス2個!!」


「え・・・ちょっと待って・・・」




「かしこまりました。

とっておきの2人に、とっておきのオムライスを」






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