+Sariel+
マスターが笑って。
頭を下げて、中に戻っていく。
あたしは男を睨みつけた。
「ちょっと!!
あたし、まだメニューも見てないんだけど!!」
「この店のオムライス、超美味いから!!
アズサちゃんも、食べたら直ぐに虜になっちゃうよ!!」
いや、そういう問題じゃないでしょ!
普通、ちょっとくらい断らない?
言おうとして、やめる。
どうせ、この男に何を言っても無駄だ。
「あ、そーだ!!
アズサちゃん、今日、学校どうだった?!」
男に聞かれて。
あたしは言葉を詰まらせる。
「・・・普通」
「普通ってなんなのさー!!」
男がケタケタと笑った。
あたしは、俯く。
「・・・ねぇ」
「ん??」
「あんた、学校好きだった??」
あたしは、右手でグラスを手に取った。
ほんの少し、水を喉に流し込む。