+Sariel+





食べ終わった後、ギンに言う。



口に米粒をひとつつけたまま、ギンが笑った。


「あー、昨日、ピザ食べてなかったしね」

「てか、米粒。ついてる」


右手を伸ばして。
ついている米粒をとってあげる。

ギンが少し俯いて。

ありがとう、と小さい子みたいに笑った。




「…話戻るけど。…アズサちゃんは、学校好き??」




あたしはちらりと男を見て。
直ぐにオムライスの入っていたお皿に、視線を落とした。



「…嫌い」

「だと、思った!!」




え、とギンを見た。

ギンはちょっと笑いながら、頬杖をついて言う。






「アズサちゃん、駄目だよ。
自分の殻に閉じこもっちゃう癖。

…誰でもいいから、も少し、誰かに対して関心持たなきゃ」



「関心…??」


「そう、関心」



「関心…ね」






< 35 / 90 >

この作品をシェア

pagetop