+Sariel+

**






ピコピコと、機械の音があたしの耳を支配する。




少し不愉快な気分で、その音をしょうがなく受け入れる。

あたし達はゲームセンターに来ていた。


・・・といっても、これはあたしの意思じゃなくて。
気がついたら、男はここに向かっていたという感じ。



ゲームの音に囲まれて、嬉しそうに笑う男。



小さな子供みたいなその笑みを見て、あたしは思わず微笑む。




「てゆーか、アズサちゃん、俺から離れちゃ駄目だよ??」


「なんで」


「アズサちゃん、美人だし。
ゲームセンターは、からまれやすいからね」




男がさらっと言ったそんなセリフに。



思わず、口をぎゅっと一文字に結ぶ。




ほんの少し、顔が熱かった。


「・・・了解」




< 37 / 90 >

この作品をシェア

pagetop