+Sariel+
「その傷・・・痛くないの??」
あたしはそっと、ギンの左腕につけられた、傷に触れた。
左腕の、関節よりも下につけられている大きな傷。
ナイフで切り裂かれたようなその傷は、肉が盛り上がっていた。
血は出ていないのに。
完治はしているだろうに。
とても、生々しい。
「痛くないよ。もう、何年も前の傷だもん」
ギンが。
眉をひそめながら傷を撫でるあたしを見て。
笑った。
そして、そっと唇にキスをする。
「誰にやられたの??」
「ん・・・知りたい??」
「知りたい」