+Sariel+
三日目
「アズサちゃん、朝だよ」
声がして。
あたしはゆっくりと目を開けた。
その瞬間、飛び込んできたのは男の顔のドアップ。「ぎゃ」っと小さく悲鳴を上げる。
「何してんの?!ってか、また勝手に人の部屋入ってきて・・・」
「さー!!今日は何しようか!!」
ギンが、楽しそうにケラケラと笑った。
あたしは無理やり、まだ重い体を起こす。
「・・・あたし、寝てたい」
「若いのが、何言ってんのー??」
あたしは、ギンの格好を見る。
よくよく見ると、あたしと初めて会った日以来、服装が変わってない。
「・・・お風呂」
「え??」
「お風呂。入りなよ??
服は、お義父さんの昔のがあるし」
ギンが、自分の格好を見る。
それからあたしを見て。笑う。
「んじゃあ、アズサちゃんも思いっきり可愛い格好してね♪デートしよ、デート!!」
「はいはいはい。服、取ってきたげる」
あたしは、ゆっくりと、床に足をつけた。