+Sariel+
・・・どうせ死ぬんだ。
あたしは、明日死ぬ。
今までは、ずっと怖かった。
お母さんに嫌われてしまうことが。
いつか、本当に自分を捨ててしまうんじゃないかと。
そう思って。
いつも、いい子であるようにしていた。
・・・でも、そんな必要はもうない。
あたしにはどうせ、明日までしか期間がなくて。
それなら・・・今までの鬱憤をすべてぶちまけてしまえばいい。
「お母さん、知ってるんでしょ??」
居間から出ようとしたお母さんの背中に、声をかける。
お母さんは振り返らず。
少し間を空けて「・・・何??」と聞き返した。
「あたしが・・・お義父さんにレイプされたこと」
お母さんの背中は、微動だにしなかった。
確信はないけれど。
ずっとそんな気はしてた。
お母さんはすべてを知っている。
でも、それでも知らないフリをして。
自分は純白な身で居ようとしてる。
・・・ずるい。
あたしはこんなに苦しんでるのに。
あたしは・・・こんなにひどい目にあってるのに。
「・・・あたしは、なんで産まれてきたのかな・・・」
気がつけば、そう呟いていた。
「どうせ、こんな辛いことがあるなら・・・産まれてこなきゃ良かった!!
どうしてあたしを産んだの?!
最後まで、あたしを見れないなら!!
あたしの見方になってくれないなら!!
あたしなんて、産んでくれなくて良かったのに!!」