+Sariel+
お母さんが、ようやく、あたしを見た。
その目は、真っ赤だった。
・・・ズルイ。
一番、辛いのはあたしなのに。
自分が一番の被害者だなんて顔してる。
イラッときた。
「お母さんは、後悔してるんだよね・・・あたしを産んだこと!!
どうして産んだのよ・・・どうして!!!!!」
お母さんが、あたしから視線を逸らした。
その悲しそうな目で、下を向いて言う。
「・・・後悔してないわ・・・あたしは望んであなたを産んだの・・・」
「じゃあ、どうしてあたしから逃げるのよ?!
どうして・・・視線を逸らしたまま、返事をするのよ?!?!?!」
はぁはぁと、荒い息をつく。
お母さんは、あたしに背中を向けた。
「また・・・来るから」
「お母さん!!!!!」
逃げないでよ!!
そう、叫びたかった。
あたしの知ってるお母さんは、そんな人じゃない!!
昔は、そんな人じゃなかった!!
いつも、あたしに笑顔で接してくれて。
どんなに辛いことがあっても、あたしのことを一番に考えてくれて。
そんな、お母さんはどこに行ったの?!
あたしの大好きだったお母さんは、
どこに行ったの・・・?!?!?!