+Sariel+



















瞳を開ける。

天井が、見えた。
大っ嫌いだった、高い天井。

起き上がる。

そこでようやく、自分がソファの上にいることに気がついた。

あたし・・・。



「あ、起きた??」


後ろから声がして。振り返った。
そこに居たのは、金髪の男。


「・・・ギン」


彼の名前を呼ぶ。
ギンは、ゆっくりとこちらに歩み寄ってきた。


「もう、大丈夫??」

「あたし・・・」

「寝ちゃったんだよ。3時間くらいかな??
今、11時53分」

「3時間・・・」


って言うか・・・寝ちゃったんだ。



頭が、ぼおっとする。
偏頭痛は、しない。


「起きて早々だけど。今日はどうする??
行きたいところある??調子悪ければ、ここに居よう」


調子は、優れてるわけじゃない。
でも、死ぬ最後の日に。

この部屋に居たくなかった。

お母さんとの思い出が、少しでもあるこの家に。居たくなかった。



「・・・どっか、出かけよう。行きたいところはないけど・・・」




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