+Sariel+
ギンが、目を閉じる。
何か、祈るように。
何でかは分からないけれど。
ここがギンにとってとても大切な場所であることに、間違いはない気がした。
「・・・アズサちゃん」
ギンが、あたしに背を向けて。
呟く。
窓から入ってくる太陽の光のせいか。
ギンが光り輝いているように見えて。
眩しくて。
あたしは、目を細めた。
「今日。ここで、過ごしてもいいかな??」
その声が、小さくて。
今にも、ギンが太陽の光に溶け込んで消えてしまいそうな気がした。
あたしは、まだギンの左手を握っている右手の力を、ぎゅっと強める。
「・・・うん」
ギンが一人でどこかにいってしまいそうな気がして。
ただ、それだけが怖かった。