+Sariel+
「アズサちゃん、まだ若いじゃん。
大丈夫。
真面目だし、可愛いし。
ちょっとの努力で世界は変わるんだよ」
・・・変わんないよ。
大体、努力って何なわけ??
あたしは何をすれば良いわけ??
もう、疲れたよ。
だから、死にたくて。
だから、掲示板に書き込んだ。
ただ・・・死にたくて。
「・・・俺、最初にアズサちゃんに言ったよね??
死にたくなさそうだよねって」
あたしは視線を逸らした。
ギンの顔を見ることさえも、胸が苦しくて。
「最初会ったときから思ってた。
・・・アズサちゃんは死にたかったわけじゃない。
誰かに、助けてほしくて。
死んじゃ駄目だよって、言ってほしくて。
・・・自分で気がついてないだけで。
ずっとずっと、そうだったんだよ」
違う
違う
違う。
あたしは・・・あたしは・・・。
涙で、前が見えなかった。
ギンがゆっくりと歩み寄ってきて。
そっとあたしを抱きしめた。
大きなギンの腕の中に。
あたしはすっぽりと納まる。
「アズサちゃんは、死にたくないんだよね。
お母さんに、抱きしめてほしかったんだよね。
周りに・・・不器用ですごく苦しんでる自分に気がついてほしかったんだよね」
涙が止まらない。
ギンのぬくもりが。
あたしのすべてを溶かしていく。
・・・死にたくない。
素直に、そう思えた。