+Sariel+
「嫌・・・行かないで、ギン・・・!!!」
「ありがとうね。
アズサちゃん。
こんな俺のことを、大好きだって言ってくれて」
笑顔のギンの瞳から、涙が一粒。零れ落ちた。
「またね」
あたしの視界から、ギンが消えた。
ちゃんと、確認は出来なかったけど。
あたしは分かっていた。
ギンは、空を飛んだんだ。
あの青空を。
サリエルに導かれて。
・・・ううん、ギン自身がサリエルの一部となって。
天使の翼を広げて飛んだんだ。
ふわりと。
あたしが手を伸ばしても、届かないところに、行くために。
あたしはその場に崩れ落ちた。