halfway <短>
“このまま二人が離れてしまえば”――
だからって、彼が私のものになるわけじゃない。
私が、あの子になれるわけなんてあるはずない。
どうなるわけでもないとわかっていながら、それでも、そんな浅はかで、愚拙な感情が、
私が今まで大切に胸に留めていた、彼への想いの中を、確かに横切ったのだ。
私は、なんて狡猾で強かなんだろう。
「ごめん。こんなこと話したって、岡本さんが困るだけだよな。俺、何言ってんだろ」
気の効いたセリフひとつ言えず、沈黙の中へ身を埋める私に、
彼の言葉が、静まり返った空間を破ろうとしてくれる。
「そんなことない……」
「え?」
「そんなことないよ!」
そんな彼に、思わず精一杯伝えようとした言葉は、私に似合わない、強い声だった。
突然の出来事に、彼も一度驚いたような顔をしてから、また微笑んでみせる。
「ありがと。岡本さんってさ、話しやすい空気持ってるよな。なんか、なんでも話してしまえそうな感じがする」
「それは……」