題 未 定
「ねーね~葵?あれどーゆこと?」
那奈が指さす方向には
仲よさげに
体育祭の準備をする
高橋と木村さん。
二人は隣の席になってから妙に仲がいい。
「楽しそうでいーじゃない?」
用具を運ぶ手をやめずに言う。
「葵、かっわいい~。」
「あん?」
那奈をキラと見据える。
何が可愛い~って?えぇ?
「妬いてんでしょ。あんた顔に出すぎ~。」
うっ。図星かも…。
あたしも最近
自分の気持ちに
気付いていた。
あたしは高橋が好き。
ねぇ、あたし!
そうなんでしょ?
「んも~黙りこくっちゃって~。」
自分でも顔が
熱くなるのが分かる。
照れてる自分が
恥ずかしくて
話題を替えてみる。
「さ~さ。コレ運んで早く抜けよ~。もう暑くて暑くて。ジュース飲もジュース!」
向こうにいる
高橋と目があった気がして
あたしは那奈の
腕を引っ張って
販売機へ駆け出した。