題 未 定
手紙を受けとる。
几帳面な字で
書かれた俺の名前。
「あんた。どうするの?まだ返事してないの?」
「………。」
「まあ、ゆっくり考えな?まだ時間はあるでしょ。」
「……俺はアイツに何をしてやれる?」
「自分で考えなさいよ。あんたがあの子に何を与えられるの?
あんたに、どれ程の事が出来るの?
それはあの子を幸せにする?
それともあの子を傷つける?
答えは誰にも分からないの。」
あたしは何も
知らなかった。
彼がどんな道を
歩いてきたのか。
どんな人と出会い
どんな恋をしたのか
知らなかったでは
すまされない。
どうしてあたし
気付かなかったの?
彼の胸の奥底の悲しみを
汲み上げてあげる方法は
無かったの?