題 未 定
あなただけを
倒れた次の日
高橋は学校を休んだ。
木村さんに
高橋の事は聞かなかった。
そして今日、体育祭当日。高橋は来た。
あたしが教室に入った時
こっちを見た気がしたけれど
なんだか怖くて
高橋が見れなかった。
「おはよ!高橋ちゃん!今日はバリバリ働こーね!」
「おはよー!てかさっそく開会式の準備だよ!急ご!」
阿部くんの
声にフッと肩の緊張が
和らいだようだった。
「じゃあ、那奈~?行ってくんね!」
「あいよ~。いってらあ!」
那奈に昨日の事を話した。
那奈は大丈夫だよ。
と言っていたけれど
あたしの心は少しも
晴れなかった。
教室のドアのところで
振り向いて
高橋の後ろ姿をみた
なんだかすごく
切なくなるだけだった。
「どした?」
「あ…うん。なんでもない!行こっ!」
教室を後にした。