題 未 定


みんなが帰った後の教室。
あたし達は近く迫った
期末テストの勉強を
している……はずだよねぇ?



「…高橋…?」

「…なあに?葵ちゃん?」


「ストーップ!!!」


…………。
あたしのリボンに伸びる
高橋の手を押さえ付ける。
教室の床が
やけにヒンヤリする。


その状態のまま固まる
あたしたち。
明らかに肩を落とす高橋。

「だめスか…。」

「だめっス。だってほら…高橋部活だ…しね…?ね?だめ。そんな目ぇキラキラさせてもだーめだめ!!」


だけど引かない高橋
お互いに力が
強まっていく。



「あ~お~い~?」


「はいぃぃぃ??」




急に高橋が手を離し
あたしの押さえていた手が
空を切ったと思ったら…。





う……。
不意打ち…。


「ちゅーぐらい、いいでしょ?」



ちゅ…ちゅーぐらい
じゃないよ!
あたしってばいちいち
ドキドキしちゃうし…


「部活行かな…。」


高橋がそっとあたしの口を塞ぐ。


あたしが高橋で
いっぱいになるこの瞬間
なんだかもう
何も考えられないよ。






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