題 未 定




「いや~クレープ気持ち悪りぃ…。」

「愁斗のヤツ食わなきゃ良かった。吐きそ~。」


クレープまじヤバいな
まじ吐きそう…。
あれ売り物になんのか!?


「あの~高橋くん…?」

はいい?と後ろを向くと
亀井がいて
思わず後退りしてしまった。


やっぱり……。
予感的中…

「ちょっといい…?」


啓哉と目が合う。


「先行ってるわ。」

「ん。」


近くで見て
確信した。

色が白くて
目がぱっちりしてて
口が小さくて
誰もが振り向くような
まぁ俗に言えば美人。
ただ目の下のほくろで
別人だとわかる。


「告白なら受け付けないけど?」

「…あはは…やめて。分かってるでしょ?」


「は…?なんの事…」



「…彩ね…東京の大学病院に移ったの。」


「………?」


「あ…もしかして…知らされてない?…そんなわけないよね。」

「………お前…」


亀井が静かに笑って口を開いた。


「あたし…彩のいとこなの。あたしのおばさんは、朝実おばさん。」


「…彩は…。」


「大丈夫だよ。最近は安定してるらしいから。」


「…よかった。」


ふと視線をあげると
目があった。


「いまでも…彩は待ってるよ…。ずっと。」



俺は何も言えずにうつむいた。





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