題 未 定




「はああああ。」

滅茶苦茶長い溜め息をつく。
最近いっつもだ。
溜め息を付いた所で
何も変わらないが。

「しっかし天気いーな…。」

また溜め息をつきそうになって
屋上の手すりに
顔をうずめた。


俺は、体育の授業をサボり中。


屋上から愁斗達が
サッカーをやっているのを見てる。

大好きなサッカーさえ
やる気が起きない。




愁斗が上手く敵を
ドリブルでかわし
シュートした。(ダジャレじゃねーぞ)


決まったと思ったら
女子がいるテニスコートまで言って
高橋ちゃんに
なにやら
わあわあ言っている。

どうせ
「入ったぜ入ったぜ~!」
とか騒いでるんだろうな。



俺の悩みの根源は
まぁぶっちゃけ
あんのバカップルだ。



「なに…かばってんだよ。」


俺っておひとよしなんかな。

ただなんちゅーか
愁斗って
ああみえて、実際は
何に関しても冷めてる。

なのに高橋ちゃんの事になると
キチガイになるからな。


多分愁斗は気付いてる。

少しずつ大きくなってる
俺の気持ち。


誰よりも敏感に感じ取って。

すべての事を。


俺はそれがお前を
いつか壊しそうで怖いんだ。




試合終了の
ホイッスルが鳴った。




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