題 未 定
あ…そうだ。
高橋、変わりに読んでくれたんだっけ…。
ドアの前で思い出して
振り向いた瞬間…。
ゴンッ
「…ってぇ。」
思いっきり
鈍い音した!
誰かに当たっちゃった!?
胸を押さえて下を向く男子。
「ご…ごめんっ。大丈夫?」
顔を覗き込んでみると
高橋だし!!
「いゃ。大丈夫。…でもお前さ頭固すぎなんだけど…。」
頭固いって色んな意味にとれるんだけどな。
「ごめんよ?…あ、そーだ!ありがとね!」
パッと顔をあげると
高橋のポカンとした顔。
「えっ?何が?頭固いって言ったこと?」
ちがくて!
「ほら、さっき国語の時に…。あたし授業きいてなくてさ…そんで…。」
「えっ俺なんかしたっけ?」
あれれ?
なんか話し噛み合ってないかも。
「あーもしかして、あれ高橋の事だったの?」
「えっ。」
あれは…
「なんだ…俺が指されたのかと思って、読んじゃったやんけ~!」
もしかしてあれは
高橋の優しさでなかったの…?
「あたし、高橋が助けてくれたのかと思ってたよ~。」
高橋が一瞬驚いた顔をした。
それから
「んな訳ねーだろ。」
と可愛く笑って言った。
あたしが膨れ面をすると
「じゃあ、やっぱそう言うことにしといて。」
だって。
なんだか調子
狂うじゃんか。