題 未 定
「あっ。はい!えっとこちらの方…。」
雅人君があたしを
見て言った。
「あぁ!俺の彼女のあおちゃん!!可愛い~だろ~。」
でへへと笑う愁斗。
固まる雅人君。
「ど…どーも~。葵です…。」
「こ…こんにちは。じゃ…さよなら!」
くるりと方向転換して
去ろうとする。
愁斗が雅人君の肩を
ガシッと掴んだ。
雅人君の肩が
ビクッと動く。
「葵は、俺の彼女だからね?」
「え…はい!そんな手を出そうだなんて!これっぽっちも!さよなら!」
くるりとこっちを向いて
ニッと笑う愁斗。
「愁斗
早くクレープつくってよう!」
「はい…。あ、葵ちゃん。」
「なあに?」
「ナンパに用心!」
「大丈夫だって!!」
だってあたしには
愁斗しかいないもん!
「ねぇ、さっきのミラクルシュートってやつさあ…。」
「中3の時サッカー部ではやったダジャレ~。」
………やっぱり。
「それでね………。」
いつまでも
続くのだと思っていた。
この想いに
この初恋に
終わりなどないと。
ずっと思ってたの。