題 未 定



「お待たせ致しました。ご注文お決まりですか?」


やってきた店員さんは
あたしたちと同世代で
色が白くて目の下にホクロがあるなかなかの美人さんだった。
心なしか
少し眉にシワを寄せている気がする。


「えーと~このチョコ…」

「チョコムーススペシャルですね。」


メニューのチョコムースの写真をトントンしていた
高橋の手が止まって
高橋が店員さんを見上げた。

高橋が固まる。
二人が見つめあって
少しの沈黙が流れる。


「…えっと……2つ。」


………なにコレ。


「…あ…あと~チーズタルトとバニラアイスを1つずつ!」

阿部くんが
メニューを付け足す。



隣の高橋がみれない。
どんな顔をしてるんだろう。
二人は知り合いなのか。
もしかしたら
元カノとかかもしれない。
あたしのなかで色んな考えが
渦巻いて
心臓がドキドキいっている。


あの人はだれ?
どうして黙るの?
どうしてあの人
逃げるように走っていったの?


「たかは……。」

「悪ぃ。便所…。」





あの人誰なの?




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