題 未 定
「ごめんなさい…大丈夫??」
すぐに反らされた視線は那奈に向けられた。
胸の奥がひりつくのを感じる。
「大丈夫です!ごめんなさい!」
那奈が勢い良く頭を下げた。
「すみません…じゃあ。」
あの人はうつ向いた後
少しあたしに視線を送り
横断歩道を渡っていった。
「ねぇ那奈、あんな人同じ学年にいたっけ?」
「うーん先輩じゃないかな。綺麗な人だよねー。」
学生達で溢れかえる駅前を那奈と二人で
やっとこさ抜けて
改札機を通った時には
のどがカラカラに渇いていて
一駅向こうの那奈が働いているカフェに寄ろうという話になった。