題 未 定

バックの底に入っていた携帯が
メールの受信を知らせる。
『葵ありがと今度アイスおごるからね』


携帯を持っている手が
汗ばんできた。

那奈ってば可愛いとこあるじゃん。野口くんも好い人そうだしっ

足元の小石を蹴飛ばしたら今度は電話がかかってきた。

「もしもし愁斗??」


耳にかかる髪が邪魔で
体を右に傾けて携帯を耳におしあてたらその拍子に
バックが肩から落ちて
そのまま中身がバラバラと落ちていった。


「あおちゃ……」

「うわっ!!」


人が行き交う駅の前で
しゃがんでいる私は
きっとすごく邪魔だ。


「これも落としましたよ。」

ふと私の視界に
青いスニーカー。
目線を上げた瞬間
しゃがんだその人と目が合った。

「お久しぶりです。」



『葵??』

携帯から愁斗の声が響いた。


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