その赤薔薇を手折る時
ルインの姿を見送りゆっくり立ち上って窓から外の景色を見る。

雲一つない晴天。

僕はもう15歳になったのか。

成人まで生きられたら奇跡だな。


外の景色である墓地を見るアスカの目は暗くもの悲しかった。

どんなに美しい人形があっても、アスカの目に映れば色あせたただのガラクタ。

墓地の一つ一つに目を通す。

この者(死者)が生前もっていたものをアスカは生きている今、もっていないのだ。

それは・・・・。






「ん?」


一番端の墓石に人の影があった。

なんだか不思議な人だ。


この者は・・・。


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