その赤薔薇を手折る時
墓と屋敷。

必然的な距離。

墓石の前で笛を吹く男と


屋敷の三階から身をのりだす少年。


「ド下手すぎて耳が痛い。」

「すまない」



男は笛を口からはなし立ち上がった。

金色の髪に緑の帽子。

帽子には白い大きな羽がついている。


「もう行く、すまなかったな」



「そうか」



アスカは面白くなさそうに部屋に引っ込もうとした。

「まて」



「?」


男に呼び止められ振り返る。



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