その赤薔薇を手折る時
航海の料理人
午後
「アスカ様、お手紙が何通かほど届いております。」
午前の勉学も終わり、くつろいでいたアスカの前に手紙の束が差し出された。
一日分か?多すぎるだろう。
「こちらは招待状ですね」
黄色の封筒を手にとりルインがつぶやいた。
アスカの元には、よく成金たちが暇を持て余すパーティーの招待券が送られてくる。
ダンスパーティーに仮装パーティー。
どれも金のかかる大掛かりなものばかりだ。
「こんどはなんのパーティーだ?」
あきれたように言い捨てるアスカ。
「立食パーティーです」
「ボツ」
ルインの手から手紙をもぎとり暖炉に投げ込む。