その赤薔薇を手折る時
ガッシャンっ!!!!
「!」
「んっ!!!」
ガラスを破る大音が静まっていた居間をつらぬいた。
二人の体が飛び上がる。
「ななな、なんだ!」
「何かが割れる音でしたね」
手紙を片づけていた手を止め窓から二人は身をのりだす。
裏側の窓ガラスの破片が太陽に反射して光っていた。
「坊ちゃま、ここを動かないでいてください。」
ルインはそう言いすてると部屋から飛び出していった。
「・・・・。」