その赤薔薇を手折る時
「はぁ?」
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「いんやぁー助かった!死ぬとこだったかんなぁ~。」
あはははっと笑い男は頭をかく。
サングラスの中の青い目が子供のように笑った。
「まったく、主人に話があるなら門からお入り願いたいものです。」
大の大人をかつぎ下ろしたルインはゲッソリとした顔で言った。
女ならまだしもこんな年相応の男を抱きかかえるとは。
「いやねぇ~、入ろうにも外壁に囲まれすぎて入口どこかわかんなくなっちゃってねぇ~」
「・・・・。」
あまりのまぬけさに言葉が出なくなった。
田舎ものにもほどがある。
「で、主人にはどのような用件で?」
ルインの質問にサングラスの中の目が真剣に変わった。
「そーだった。」