その赤薔薇を手折る時
「今日から働かせてもらおうと思って」
・・・・。
「はい?」
「いや、だから働かせてもらいたくて!し・ご・と・!」
「はぁあ???!!!」
男の言葉にルインはすべての力が抜ける感覚におちいった。
ない。
絶対にありえない。
そんなルインにお構いなしの男は、あいかわらずニコニコして返事をまっている。
だいたい、この男なんの仕事ができるんだ?
「き・・希望は?」
「俺?もちろん料理人!」
危ない。
坊ちゃんの命が危ない。
死ぬ。
絶対、食中毒でお陀仏になる。
執事としての危険信号がフル回転しはじめる。
「まぁ、とりあえず中に入らしてもらうとするかぁ!」
男はルインなどお構いなしに屋敷の中に入っていった。
「まっ!待ちなさい!!」