その赤薔薇を手折る時



「わかったから、ナイフをしまってぇええ!!!」









アルファートの叫び声がとどまった後、ルインはさっそく料理に取り掛かった。


「いいですか、海から獲れた食材はみんな生モノです。十分に加熱してください」


と、三歳児でもわかる説明がエプロン姿のルインの口から飛び出した。



ジューーーー・・・シャァぁあ~



フライパンに油をひき、さっそうと加熱する。

手際がよく、いい香りが厨房に立ちこめた。


「おお!すげーぞ兄ちゃん!どら、俺も・・・」



ジュボぉぉおおお!!!!



アルファートが変わったとたんフライパンから火が噴き出した。
火は擦れ擦れでアルファートの前髪をかすった。


「火!火ぃ強すぎです!」



「のわわわわああ!!!」



ただいま厨房から火災が発生しました。







「次はパスタです。軽くつかみ、円を描くようにひねります。」



鍋に向かってパスタを美しく入れるルイン。

綺麗に入ったのを見たアルファートは眼を感動の色で輝かせた。




「円を描くよぉぉぉぉおおにぃいいいい!!!」



バサぁぁぁああ。



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