その赤薔薇を手折る時
普通だな。
まったくの無傷状態のパスタを見つめ、驚いた顔でアスカが言った。
普通だ。
アルファートが作ると聞いていたものだから、それなりの覚悟をしていたのだが、案外普通な料理が出てきた。
なんだか・・・・やりきれん。
「あ・・アルファートが作ったのか?」
「はい。シェフが手によりを掛けて作ったパスタでございます。」
「そうか・・・その、・・案外普通だな。」
「はい」
ごくりと唾を飲み、シルバーを片手にパスタを巻きつける。
一口。
・・・ぉお!
「いける!」
食べれる!
いける!
生きてる!
安心感が空腹へと変わり、アスカはパクパクと料理を口に運んだ。
「そうでしょうとも。」
そんなアスカの後ろで、ルインは不適な笑みを浮かべていた。