その赤薔薇を手折る時


実は・・・。






「アルファートさん!それでも貴方はシェフですか!!」


あまりの失態を犯したアルファートに、ルインは本気で切れかけていた。



「すまない!!船とは勝手が違いすぎて!!」


オロオロとアルファートは散らばったパスタを広い集めた。


船とは違う?


「なんせここの厨房は使い勝手が悪すぎて・・・」


使い勝手が悪いのはお前の頭だぁぁああ!!


と、怒鳴りそうになる自分を押さえてルインは鍋を手にとった。


「わかりました。では、こうしましょう。」


ガンッと鍋をコンロの上に置き、床に座りこんでいるアルファートを満面の(悪)笑顔で見下ろす。



「貴方はパスタを茹でるだけでけっこうです!!」




こうして、魚貝類パスタはできあがったのだ。


パスタを作った(茹でた)のはアルファート。


ソース、具材を作ったのはルイン。


完璧な共同料理である。







「主人には貴方が作ったと言っておきます。」


「ほんとか!!ありがとうな兄ちゃん!!」




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