萌えきゅん彼氏




春は優しく微笑むとあたしの手を引いて建物の影にあたしを隠した。


「……なぁ、俺のこと好き?」


さっきまでの優しい春はどこにいったのか今目の前にいるのはSな彼。


あたしが一番恥ずかしくて言えない


“スキ”の二文字を彼はわざと言わせようとする。


「…な、何言ってんのよっ!そんなの…言わなくてもわかってるでしょ?」


「分かんないから聞いてんじゃんっ。」


…うわっウソくさっ!!


「絶対ヤッ!!!」


そんな罠にハマるもんかっ!!


絶対言わないもぉーーん!






「ふーん。言えないの?ってことは…綾香は俺のこと嫌いなんだー」


サラリとあたしのことを“綾”ではなく、“綾香”と呼ぶ春にきゅんきゅんしてると


春の口元がニヤリと不気味に微笑んだ。




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