萌えきゅん彼氏

独占欲





―綾香―


ブチッ―…


一方的に切られた電話。


あたしは、暫く手の中にある携帯を見つめていた。


「どうしたぁ〜?」


珍しく千夏がいない昼休み。サクラが不思議そうにあたしの顔を覗き込んだ。


「えっ!?あ、あいや、、別に?」


明らかにおかしいあたしを見てクスッと笑うとサクラは


「やっぱ嫉妬しちゃってた?彼氏。」


空になったお弁当箱を片付けながらあたしに目を向けた。


「………なんか怒ってた。」


「フッだからそれが世間で言う“嫉妬”よ?」


嫉妬…


「…そうなのかな?でも、なんかいつもより違ったって言うか…」


「も〜いいじゃん!可愛い彼氏が妬いてくれてんだよ??いいことじゃん!!」

…可愛いって


確かにそうだけど…


攻めて、“かっこいい彼氏”って言ってよバカッ




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