専業主婦生活<その2>
典子もテーブルに着くと一緒に食事を始めた。

大輔は、黙々と朝食を食べている。

「風邪はどう?」

典子が話しかけた。

「うん、まぁまぁだよ。」

愛想のない返事である。

「でも、今日は早めに帰って来られるんでしょ?なるべくそうした方がいいわ。ひどくなると困るから。」

「うん、そうする。」

体調がすぐれないせいもあって、大輔は口数が少なかった。

「コーヒーはどうする?」

「うん。そうだなぁ~‥いいや。いらない。」

「そう?じゃあ、お薬飲んでね。」

そう言うと、準備しておいた市販の風邪薬を差し出した。

キッチンに戻って水をグラスに注ぎ、大輔に持ってくると

「今日はお昼もちゃんと飲んだ方がいいから、これ持って行ってね。」

そう言って、いつも大輔が時計や財布、携帯電話を置いている場所に一緒に置いた。

大輔は、黙ってうなずくと席を立ち、出勤準備を始めた。



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