専業主婦生活<その2>
今から夕食の支度の時間までたっぷりの時間をいかに過ごすべきか‥結婚当初、典子は大いに悩んだ。
『子供もいないのだから、働かないともったいないじゃない!』という外野の声に追い詰められたこともあって、フルタイムで働いたり、アルバイトで働いたこともあった。
けれど、一見何の問題もないように見えていた夫婦の間に間違いなく目に見えないズレが生じていく怖さを典子は感じて、結局、専業主婦でいることを決意したのだった。
大輔は、外資系の保険会社で働いている。帰宅は早くても9時くらいである。
夕食も週に1、2度しか家で食べない。
だから、典子が働いていても、最低限の家事は充分こなせていた。
おまけに典子の考える「最低限の家事」でも、大輔は別に文句は言わないし、頼めばやれることなら手伝ってくれさえした。
でも、典子は結婚して主婦になった以上は自分の理想とする家庭を作りたいと考えていた。
典子の「理想とする家庭」とは、きちんと掃除が行き届いて整理されくつろげる部屋を維持すること、食事はなるべくきちんと手抜きをしないで作る。たったこの二つである。
『子供もいないのだから、働かないともったいないじゃない!』という外野の声に追い詰められたこともあって、フルタイムで働いたり、アルバイトで働いたこともあった。
けれど、一見何の問題もないように見えていた夫婦の間に間違いなく目に見えないズレが生じていく怖さを典子は感じて、結局、専業主婦でいることを決意したのだった。
大輔は、外資系の保険会社で働いている。帰宅は早くても9時くらいである。
夕食も週に1、2度しか家で食べない。
だから、典子が働いていても、最低限の家事は充分こなせていた。
おまけに典子の考える「最低限の家事」でも、大輔は別に文句は言わないし、頼めばやれることなら手伝ってくれさえした。
でも、典子は結婚して主婦になった以上は自分の理想とする家庭を作りたいと考えていた。
典子の「理想とする家庭」とは、きちんと掃除が行き届いて整理されくつろげる部屋を維持すること、食事はなるべくきちんと手抜きをしないで作る。たったこの二つである。