櫻吹雪

藍「…菅野弥生…？」


弥「…覚えてねぇか」


藍川 紗希。
小学校で同じクラスだった。


藍「…菅野……あっ！
暴力女…！」


５年の時。


当時の藍川は人にあわせて
いじめや仲間外れに参加していた。



小学校、不登校気味だったアタシは

たまに登校しては
そのグループと対立していた。


昔から血の気が多くて
すぐにケンカしようとするアタシは

同級生から“暴力女”と呼ばれていた。


いつもつまんなそうにイジメを見ていた藍川が

妙にアタシの頭の中に残っていた。



──────────


マ「弥生！」

弥「あ？」


知らない間に寝ていたアタシ。

となりの藍川はいなくなっていた。



マ「お前どーした？」

弥「何が？」

マ「何か変だぞ。」

弥「別に何もねーよ」

マ「……そうか」



…なんだぁ…？;;

…変なやつ…。



今日は遊ぶにも遊ぶ気になれなくて

マツリたちの誘いを断って早めに家に帰った。



ガチャッ…


片づけてない服や雑誌類でよごれた家。


台所は使った食器で溢れて

冷蔵庫は空っぽ。



弥「……空っぽなのは…」


この家だ。


アタシはこの薄暗い家を飛び出し、
自販機で酒を大量に買って


自分の部屋に飛び込んだ。


弥「……むかつく……、」


イライラする。

何でか分かんないけど
イライラする。



グビッ



酒をのんだ。

何杯も。


のんでのんで

だけど記憶がなくなるくらい
酔うことはなくて。



苦しいまま机に突っ伏した。


弥「…きもちわるい…

…メンドくせぇ…」



…ピーンポーン

不意にインターホンが鳴った。

出る気はない。



ガチャッ


誰だか知らないが勝手に入ってきた。


弥「……〜〜〜誰だよっ!!…」


このイライラしてるときに。