櫻吹雪
アタシ何悩んでんだろ


藍川のこと?

…らしくねぇなあ…。



───弥生 小5──



学校なんて、つまんない。


『キャハハ!』

『何これー!?キモいよ!』

『か、返して!』



クラスの女子のいじめグループ。


大人しそうな子にちょっかいばかりかけてる。


…メンドくせ…。



アタシはそういうのが昔から嫌いだった。



──ガラッ

『…菅野さん…また遅刻?』


弥『あ゙?
来ただけマシだろぉがバカ』


『…つーか…
来たくないなら一生来なけりゃいいじゃん!!』

『そうそう!』

『さっさと帰れ暴力女!』

『ねえ!?サキ!?』

『え?ああ、うん』



アタシと同じで
全てに興味ないって顔してる藍川。


だけどその顔はどこか孤独で
助けを求めてるような感じもした。



ある日の放課後。

アタシはコンビニに向かおうと
ダラダラ学校の近くの道を歩いていた。


学校の中で、フェンスごしに同じクラスのグループが
1人をいじめてるのが見えた。



殴ったり蹴ったりと

結構過激だった。


弥『…お前らサシでやれよ!!!!!!!
かなりダセェぞ!!!!』



『…チッ…菅野…、』

『サキ、何か言って追い払ってよ』

『…え、』

『こっちは手がいっぱいなの!

サキ何もしてないじゃん!はやく!』

『………、』

弥『……………?』



『邪魔しないで…』



そう言った時の
藍川の顔はまるで
“助けて”って言っているようだった。


いじめ問題は結局担任によって片付いたけど



何となくだけど藍川はずっと

苦しいままなんじゃないかなって。



ずっと、周りに合わせて自分の意見も言わないまま…

このまま生きる気…──?。



中学は別々になって
藍川の悪い噂はたまに耳にした。



また、周りに全部まかせて


つまらなすぎる日々を送っているんだろうか…



そう思うと
アタシはどこかで藍川のことが気になっていたんだ。
< 20 / 79 >

この作品をシェア

pagetop