櫻吹雪
仲間以外のことで悩むなんて


アタシにしては珍しいな───。


そんなことを思いながら、あがって着替えをすますと
リビングからは騒がしい声が聞こえた。



ガチャン



源「あ、サクラちゃんチャース!」

剛「悪い…来た…」


ヒ「のむなら大勢のほうが楽しいだろ?☆」


ス「ヒマワリのご飯おいしいよ!
はやくおいで!」


マ「人の誘い断っといて、勝手に飲んでんじゃねーよバカ!」



弥「…お前ら…、」



さっきまでの孤独で暗い世界が

パジャマ姿の源に落ち着いている剛

優しいヒマ

テンションの高いストール


そしていつも通りにバカなマツリ。


この5人がいて明るくて優しくて暖かい


夢のような世界に変わった。



ギャッハッハ!!!

飲め飲めー!!!!




楽しい、楽しい。

何も考えなくてすむ。

あったかい。



マ「よぉ、弥生」

弥「あぁ〜?」


ヒマのご飯を食べてまた飲み始めたアタシはほろ酔い状態。



源はハダカになってベロベロに酔ってる(笑)



マ「……喧嘩はよ、

実戦の回数の分だけ
強くなってくだろ?」


弥「…………?
…ん、まあ、ね…」


マ「…お前が何に

悩んでんのかは分かんねーけどよ…」



マツリは照れたのか、ボリボリと頭を掻いた。



マ「…悩んだら悩んだ分だけ

心が強くなってくんじゃねーかな…」


弥「……………、」


マ「…少しずつだけどよ…

それもまた…“強くなってる”気ぃすんだよ…

お前の夢に…

…近づいてんじゃねーかな…」



弥「…ん、…

…そう、だな…」



響き渡る仲間の笑い声

それはアタシの

一番の薬で。


張り詰めた心に入り込んでくる…。



弥「……ありがとう……」



マツリの声は
マツリの言葉は

誰よりも正確に
アタシの傷に染み込んでくる。


素直なマツリの言葉が
アタシにとっての傷薬。

マツリ、みんな、ありがとう。
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