櫻吹雪
AM:2:00


みんなは酔ったまま
リビングでそれぞれぐっすり雑魚寝していた。



ヒ「サクラ、大丈夫か?」

弥「…ゔ…、」

ヒ「……気持ち悪くなったら

動けそうならトイレいけよ?

とりあえず、洗面器そのまま置いてあっから

今から部屋で寝ろ?


俺は片付け済ませてからコイツらとその辺で寝るから。」



弥「…ゔ…ヒマ…

マジでゴメンな…、」


ヒ「いいから。

はやく寝ろ。な?」


弥「…うん…
おやすみ…」


ヒ「おやすみ」



“おやすみ”なんて言ったの
いつぶりだろう。



ヒマの優しい声が
アタシの心を包み込んでくれた気がした。




バサッ…───。


スー…スー…。


30分前が嘘のように

家中は静かになって
洗い物をする水道の音だけが

静かに響いていた。




────────……


自分と似ている同級生の願い。


“助けて”


どうしてアタシは


その伸ばされた手を


握ることができなかったのか。


アタシは友達の作り方を知らなかった。


傷つくのを恐れて


拒絶してしまった…。





「キャハハ!今日のオヤジやばくない!!??」

「超金持ってたよね」

「アリサのこと気に入ってたからまた来るんじゃん?」

「いや困るー!!」

藍(…つまんない…)




違法キャバクラ。

中学生だって働いてる危険な場所。


藍川 紗希


「あ、ユリア今月2位なりそーじゃん!?」

藍「あ…マジ?」


4年前
両親を亡くした。


そのまま普通に過ごしてたら友達に誘われてこのキャバクラへ。



住む家がないアタシにとっては
無料でアパートまで用意してくれるココは


嫌でも手放せない。


同級生の菅野 弥生
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