櫻吹雪
「…い!おい!」



かすかに

暗闇の中に

光がさした。


「おい!起きろお前!!」


その光の声は
俺を暗い現実に引き戻した。


ザー…


マ「大丈夫だな!?

生きてんな!?」


目の前にはびしょ濡れの男。


マ「兄ちゃん!」

敦「あぁ?どーした勝馬」

友「急に走ってって何だよ…」

正「てかどうしたそのガキ!」


その男の
兄らしき奴ら。


こっちに走ってきた。

心配そうな顔して。




───ズキンッ!!



頭に激痛が走り、そのまま意識は遠のいた。


騒がしい声を最後に……。



─────────…

ざわざわと

楽しそうな声が聞こえる。

ここは…どこだ…。



マ「…─お!目覚ました!」

目を開けると

和風の座席らしきところ。

それと同時に独特の香りがした。


辺りを見回すとラーメン屋であることが分かった。


「あら、おはよ!」

「おう、兄ちゃんラーメン食ってけ!」


「どこのひとー?」

「なんて名前?」


優しそうな女の人に
少しゴツい感じのフレンドリーなオジサン。

それに服装以外はそっくりな双子の女の子。


さっきの男たちは周りに散らばっていた。


「勝馬が冷えたあなたの体診てくれたのよ。」

女の人は俺に温かいお茶をくれた。


マ「母ちゃん余計なこと言うなよ!」

母「いいじゃない、別に(笑)」


頭を掻きながら叫ぶ俺とタメくらいの男。
まさかの母親だと聞いて驚いた。



なんだか体がラクな気がする。


ゴトッ


「さあ!食え!
あったけーぞ!」


オジサンは俺の前のテーブルに
作りたてのラーメンを差し出してくれた。


マ「うちのラーメンまじーぞ!」

「勝兄は小さいころからよく食ってるから飽きただけじゃん」

マ「っせーよ香菜子(カナコ)!

テメェ世の中の全て知ってますみてーなスカした顔しやがって!」

香「こういう顔なんです」
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