櫻吹雪
楽しそうに笑う家族たち。


…ラーメンの湯気のせいか
俺にはこの家族がスゲェ温かく見えてしまってしょうがない。



俺はただそんな会話に耳を傾けながら
たしかに温かい、ラーメンを全部食べて挨拶をした。



ヒ「…夜分遅くに失礼しました。

またお詫びの物持ってくるんで…

おいしいラーメン本当にありがとうございました。

…お世話になりました
お休みなさい。」



母「…あ、あらあら
こちらこそ…;;」

(((めちゃくちゃ礼儀正しいじゃん…)))



家族の驚いた顔を見て一礼すると、俺は戸を閉めた。





…何だったんだ…。

あの家族は…



ガラッ


閉めたはずの戸が、しばらく歩いたあとに開いた。



マ「なあアンタ!」

ヒ「………?」

マ「またなんかあったらよ!
うちのマズいラーメンでも食いにこいよな!」


ヒ「…はい」





太陽のような、笑顔だった。





俺も少し、笑えた気がした。



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父「最近のガキはいけねーな。
ガキの取り柄は元気だけだってーのに、」


母「でもあの子、なんかひまわりみたいね!」


「「「…はぁ?;;」」」



また母ちゃんの天然が始まった、というように疑問符を浮かべる一同。



母「よく似合ってるわ、あの髪色!

笑ったらどんな顔になるんだろう?♪」


友「…どゆこと…」


母「きっと髪立ててたのよ!雨で崩れちゃってたけど…

まだつぼみだから…

咲いたときにまたあいたいな!」



「「「……………;;」」」



にっこり笑う母親についていけず、家族は適当に相づちをうって

手伝いをする者以外はそれぞれの部屋にもどった。



マ「…………」


そんな中、マツリは少し納得したように笑っていた。



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