櫻吹雪
☆☆☆☆☆☆

パァン!!!

ダンッ!!!


「ハァ…ハァ…」

サ「…勝負…
つかないでしょ…」


サキはレイン(西園寺)と剣道で勝負をしていた。


サ「…アンタ…向山きたわけ…?」

「…アタシは…

総長の命令に従うだけ…!」


パァン!!!!

ガガ…


サ「…ゔ…!!」

「…アンタはまた…
…負けるだけ…

…"いつも通り"の結果に終わるだけだよ…」



サ「…ちょ、…
…自惚れんなってぇ!!!」


バシッ!!!

ダァン!!!パァン!!!


「…まるでなってないわ…」

サ「中途半端にやめたから…
中途半端な剣だけどさぁ!!!!」



グググ…



サ「それなりに"背負ってる剣"は強いんだよ!!!!!」


ガァン!!!!!




…ツー…



サ「……1本…!!」


「……………」


──…西園寺は小学校からのライバルで

試合の時はいつも決勝で負けてた。



アタシの剣は


いつだって自分だけを守るものだった。



だけど今…────


アタシは勝った。



「……何があった…」


サ「は?」


「アンタの剣には
アタシは絶対に負けないって

初戦に確信した…

何か確実に…

…アンタは変わった」



サ「…強いて言うなら…」



サキはポリポリと頬を描いて、少し照れながら言った。



サ「…"命令"を背負ってる剣と
"仲間"を背負ってる剣は違うってことだよ!」



「………………」



仲間だなんて有り得なかったのに。


“孤独”
アタシの剣は孤独じゃなくなったから


強くなったんだ。


あの頃と違って“見えた”。

西園寺の剣が見えた。



「……アタシの
…負けだよ。」


西園寺は俯いて諦めたようにそう言った。
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