櫻吹雪
いきなり仕掛けた相手に肩をかしてくれた。


コイツの横顔を見てると…

今の俺じゃ、何度やっても

絶対に勝てねぇってことを悟った。



「……ありがとな、」

マ「………へっ…」



「あ!総長〜〜〜〜!!」

「総長…!」


「…レイン、…ストーム」


「…ご、ご無事で…」

「心配したっスよ!」


「……お前ら、」





マ「……いるじゃねぇかよ…

“仲間”」





「……………、」

マ「…仲間って作るのすげぇ難しいんだ。

お前のこと心配してくれるやつがこれだけいてよ…

…それだけですげぇことだって俺は思うぜ。」



マツリは
ケンゴをストームの方に突き飛ばした。


マ「俺にだってそれがあんだ!

だから行くわ!」




そう言って走っていった。




「…すんません、俺とレイン…
…負けちまいました……」

「………………」


「もう、覚悟はできてます」

「…私もです」



「……なあ…」

「………?」


「…お前ら…これからも…

…俺の“仲間”でいてくれねぇか…」


「………え!?」

「!?」



「………………、」

「…お、俺なんかでいいなら!!!!!!!!!」

「私などでよければ……!」





「…そうか…

…ありがとう」





「……へへ!
はやく加勢しにいってやりましょう!」


「……そうだな」


俯いて微笑むケンゴを見て

レインも、優しく笑った。



“仲間”がいることが


ただこんなにも


嬉しくて。






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